★★★★★ 2017年9月に訪問
最初に
私はミスティックリズムは見たことないのでシャドウランドを見た素直な感想と批評をさせて頂きます。※ネタバレあり、長いです。
ショーのはじまり
冒頭でボーイスカウトの様な格好をした役者さんたちが客席の後ろから登場しますが、まずこの一団が何者なのか一切説明がありません。ジャングルの冒険者達なのか、少年キャンプなのか訳の分からないまま話が進みます。リーダー(名前不明。ユウと同一人物)の口調が「〜ですね。」「〜だよ」とかコロコロ変わってしまうのがこの場面では個人的に1番気になりました。メイもメイで、今時にしてはビックリするほど珍しい、もじもじした感じの女の子で典型的な同姓に嫌われるタイプのヒロインと言った感じです。
謎の鳥について行くメイ
影鳥の存在をリーダーがほのめかした後、メイの元へ1羽の鳥がやって来て、メイはそれについて行ってしまいます。何故そこでふらふらついて行くんだ。貴方さっき次のリーダーを勧められた時「まだ無理です」って言って断ったくせに人の話聞かずに何やってるの、と心の中で突っ込まずにはいられません。そしてこの鳥については最後まで説明無し。私は途中までこの鳥が影鳥かと思ってました。
案の定遭難するメイ
当たり前ですがグループと離れてしまうメイ。一人でテントをはり一夜を過ごそうとし、不思議な力に目覚めます。が、まてまてまてまて、遭難してる癖に何影遊びとかしてるの?!自分が今どういう状況下か分かってる???歌の歌詞も全て受け身です。もうこの辺でストーリーとかどうでも良くなってきます。ただひたすらメイの言動・行動に首をかしげまくりです。イライラしながら終演を待つしかありません。苦行です。
ユウ登場
メイが謎の力に目覚めたな〜と思っていたら今度は急に雄鹿の「ユウ」が登場。鹿である意味って何なんでしょうね???そして舞台袖のロフト部分(?)から登場する為、そこを降りる時に変な間が出来ます。会場全体が何が起きるのかと固唾を呑んで見守りますがユウが舞台に降りるだけです。何も起きません。結果変な空気だけが残ります。
シャドウランドの妖精達が登場
ここも特にこれと言った感動はありませんでした。ただ妖精さんたちがふわふわ踊るだけです。推しのプロジェクションマッピングをもっと効果的に使えば良いのにただ踊るだけです。ここでユウから再びシャドウランドを救ってくれと頼まれますが「私、そんなに強くないから...」と断ります。(いや助けたれや)
きらめきの湖登場
少し舞台の床が斜めになったな〜と思ったら映しだされた3つの丸。どうやらきらめきの湖の顔を表しているみたいなのですが、ハッキリ言って分かりづらいです。隣に座っていた同行者に教えてもらわなければ気付きませんでした。指摘を受けてからもなんだかボヤ〜とした顔があるだけで怖い。水面のゆらぎと顔をうまく融合してそれらしく見せてるつもりなんでしょうけど悲しいくらいお粗末です。あれなら普通の輪郭のあるアニメーションにしてもらった方が小さな子にも解りやすくなると思います。(会場のどのくらいがあの顔に気付いたのか...幽霊の顔みたいで気持ち悪かったです。)そしてきらめきの湖を蘇らせたお礼を言われたメイは更に「この場所にぴったりな素敵なものを見せてあげる!」と言って湖をさらに綺麗にします。....メイ、そんなキャラでしたっけ?急に調子乗りだしでドン引きでした。
問題の空中ワイヤーのシーン
さていよいよ例の空中ワイヤーです。私自身は圧迫感がある、とか前の火や水を使った方が良かったとは思いませんでしたが、このシーンがやけに長いのなんの。寝そうでした。最初の15秒位は凄いと感じましたがプロジェクションマッピングの完成度低過ぎませんか...?「あーお金も時間もかけてないな」というのが丸わかりで非常に残念です。上から見た引き込まれるような構図を作りたかったんでしょうけど、壁に大穴が空いてるようにしか見えません。俳優さんの衣装もピンクと青の全身タイツみたいなのでやけに生々しくダサい。安全上あのデザインなのかもしれませんが、もっとヒラヒラした布を使った衣装の方が栄えるのでは無いのでしょうか。俳優さんは大変頑張ってらっしゃるとは思いますが見てるこっちとしては何のメッセージ性も無いシーンをぼ〜っと見せられてるだけです。薄々勘付いていましたが「あっこれ脚本と演出がダメなやつだ」という思いが確信に変わります。
ユウとメイの歌
やっと安心して見てられるシーンです。まだアトラクション自体始まったばかりなので荒削りな部分がありますが。ただ個人的には歌の曲自体が微妙な感じが....メロディよりも歌詞が字余りになってしまってるというか、「本当の自分を探しに〜」的な部分も「え?じゃあメイは今まで自分を偽って来たの?えっ知らなかった」と突っ込まずには要られないです。本当に脚本ちゃんと読んで作られてるのでしょうか?矛盾してませんか?
戦闘シーン
最初に比べたらかなり改変されたらしい戦闘シーンです。しかし私はここで声を大にして言いたい。「何故プロジェクションマッピングを使わない!!!!!使うのはここでしょ!!!!!!」怒りを通り越して悔しいです。そりゃ、敵達はバク転したりアクロバットを取り入れてあって迫力ありましたし、影鳥は目が強く光っていて本格的だなぁと思いました。本当にそこは凄いと思いました。けど何故それを光る剣で倒す!?!?もう本当に理解できません。メイの力無視ですか?ユウは何の見せ場もない(唯一メイを庇った所が見せ場といえば見せ場)ままですか???敵達が凄い分、メイも立ち回りもうちょっと頑張って...。私の当たった俳優さんだけかもしれませんが、最初はおどおどしてて可愛らしい声だったメイがこの戦闘シーンで声だけ低くなり豹変。正直怖かったです。もとから気が強いとかそういうキャラだったら格好良く決まるんでしょうけどメイがそれやったらヒステリー起こしてるようにしか見えませんでした。
全てが不明のままエンディングへ
ユウはメイを庇い退場→生死不明、メイを惑わせた謎の鳥の正体も不明、結局シャドウランド自体助かったのかすら不明、全てが分からずじまいのままメイは現実の世界に戻ってきます。いや、納得いかないんですけど。本当に何の説明もなしにキャンプのメンバーが「はーメイが無事で良かったよかった!」で歌うたって終わりでした。っえ???私は25分間何を見せられていたのだろう....散々話に置いてきぼりにされ、振り回され結局何のフラグも回収されないまま終しまいです..疲れます。
とにかく脚本と歌に謎が多く、矛盾しまくっている
最初登場したメイは臆病な女の子。というイメージでした。少なくとも観劇された方々は自分に嘘をつきながら生きている様なキャラクターには見えなかった筈です。なのに歌の中では「本当の自分を探しに行こう」だのなんだのかんだの....メイはそんなこといつ言ってましたか?そんなことを仄めかす演出ありましたっけ?脚本と歌が噛み合ってません。冒頭にそれらしいアナウンスでもあれば良いのですが... 少なくとも私の時はありませんでした。アンジェラ・アキさんが作曲されたと聞きましたがそれがこんな結果なら呆れ返って何も言えません。あらすじのみの説明とお金だけ払って作曲してもらったのでしょうかね?脚本も脚本で2時間半位で作ったのか?言いたくなる程の薄っぺら〜い内容。ユウとキャンプのリーダーが同一人物である必要がどこにあったのでしょうか?経費削減ですか?自身で立てたフラグが回収しきれてない非常に後味悪い印象を受けます。責任者を呼んで全て説明して欲しい程です。世界観の徹底した作りこみがディズニーの魅力の1つであるにもかかわらず、それを放棄した上「コストカット」を脳裏に過ぎらせる演出の仕方は本当に最悪です。お金は確かに節約出来たかもしれませんが、その分俳優さん達に皺寄せが行っていることを制作サイド及び上層部はしっかりと認識しているのでしょうか(してないでしょうけど。)このままだと事故が起こりそうで怖いです。
プロジェクションマッピングの力の入れ方、使いどころが違う
ハッキリ言ってショーが始まる前の森の景色が1番作り込まれてて綺麗だと感じました。あとは似たりよったりと言った感じです。これは完全に好みの問題ですが、きらめきの湖の顔、あれもう少しなんとかなりませんか。ギャグかと思いました。もしかしてあれ笑う所でしたか。プロジェクションマッピングを売りにしているのであればワイヤーアクションのシーンもしっかりとしたプロに頼んでもっとお金をかけるべきです。謎の光る剣で闘わず、謎の力で影鳥と闘って下さい。プロジェクションマッピングの良さは「そこに無い筈の空間を生み出し鮮やかな臨場感を出すこと」です。ただ舞台上を綺麗に光らせたいだけなら小道具や照明にお金をかけるべきです。どっちつかずは1番格好悪く観客はガッカリします。
俳優さんは頑張っている
色々言いましたが良い所もありました。俳優さんは頑張っています。こちらが悲しくなる程に。拙い部分はこれからどんどん彼ら自身で考え、良くなっていくでしょう。脚本と演出が残念なばかりに俳優さん達まで批判されてしまうのは可哀想です。ですが、脚本と演出ってそう簡単に大幅に変更出来るものでもないので結局は(アトラクション全体としては)このままのクオリティのままなのかなと....残念です