古い。でもそこがいい。
★★★★★ 2017年5月に訪問概要
1992年にユーロディズニーランドがオープンした際、世界で初めてのパーク一体型ホテルと銘打って鳴り物入りで誕生したホテルで、パークエントランスの直上に位置するホテルです。当時小学生だった私は、テレビでこのホテルを観て子供ながらに「いつかこんなホテルに泊まってみたい」と思ったことを今でも覚えています。パークと一体化したホテル
今回泊まって初めて分かりましたが、実際にパークと一体化しているのはホテル中央の共有部分(一部のスイート含む)のみで、一般の客室は両サイドのウィングにあり、その客室部分は厳密にはパークに直面していません。そのため、ホテルの中央部分に位置するレストラン等からはパーク内を見ることができますが、パークサイドであっても客室の窓からはパーク内部を見ることは出来ません。(もちろん、お城等の高い建物は見えますが、ミラコスタのようにパーク内部の準備風景などを覗くことはできません。)良し悪しは別にして、これはこれでよくできた設計だと思います。直面してはいないものの、客室からお城やパークに向かうゲストは見えるますし、何よりもエントランスの真上というロケーションのためパークとの一体感は存分に味わうことができます。パークからの音楽が聞こえてくるのも(良し悪しは別として)パーク内にいるような気持ちになれます。私たちの部屋からは花火もちゃんと見えました。予約
エクスペディアで予約しました。口コミには「どの部屋を予約してもパスポートが付いてくる」と書いてあるものが多かったですが、今回予約したものには付いていませんでした。朝食はついていました。エントランス
セキュリティチェック
他の国では、それぞれのパークのエントランスにセキュリティゲートがありますが、パリのセキュリティゲートは駅とリゾート(2パーク+ヴィレッジ)の間の1か所に集約されています。駅からこのホテルに行く場合は、そのセキュリティゲートをスーツケースごと通過してからチェックインすることになります。そのため、一旦セキュリティチェックを通過した後は、何日ホテルに滞在してパークに遊びに行ってもパークの入り口で再び手荷物検査を受ける必要がありません。他国のパークではインする度に毎回バッグを開けさせられて中身のチェックを受けなければいけませんが(パークと一体化しているミラコスタでさえ)、このホテルに泊まれば滞在期間中、前述の1回で済みます。これはかなり快適でした。バスを利用しなければならない他のディズニーホテルでは、毎日空港級のセキュリティチェックを受けなければパークにもヴィレッジにも行けません。ホテルの入り口
ホテルの入り口は駅からパークに向かって歩いていくと向かって右側のウィングにあります。「こちらがメインエントランス」という看板は一切ありません。パークエントランスの上にあるという構造上、ホテルのど真ん中には玄関が無く、駅から歩くとかなり奥まったところにあります。この入口はものすごく分かりにくくて、駅に到着後、ホテルの建物が見えているにも関わらず、エントランスにたどり着くまでに本気で迷いました。客室
予約はスタンダードルームで予約しましたが、案内された部屋はTDLホテルで言うところのコーナールーム(でも広さは東京の倍)で、リビングと寝室が別になっていました。これでスタンダードかな?と思うほど広かったです。洗面台は2か所あり、シャワーとバスタブは別々になっていました。生花も飾ってあり、ウェルカムシャンパンもありました。室内は外国のホテル特有の暗さです。また、古いつくりのホテルなのでベッド脇にコンセントがなく、スマホやカメラ等の充電等に不便でした。ベッドは大きく、寝心地は最高でした。ゴージャスな内装で「お城のよう」という言葉がぴったりです。優雅な気持ちになれます。
ホテル宿泊特典
エキストラマジックアワー
通常10時オープンのところ8時に入園出来るもの。他国と一緒でマジックアワー時間帯にオープンしているアトラクションは限定されています。対象アトラクションはメンテナンス等で少しずつ変わるので、行く前にホームページで対象アトラクションと時間を確認してください。そんなにたくさんオープンしていないので、8時にインしている人は本当にごくわずかでした。VIPファストパス
このVIPファストパスというのは、好きな時に好きなアトラクション(ファストパス対応のアトラクションに限る)に乗れるというもので、1人1回限りしか使えないかと思いきや、ファストパスエントランスでも見せるだけで回収されなかったので、滞在中何度も使えそうでした。ただし、どのアトラクションもほぼ5分待ちだったので、結果的に滞在中1回しか登場しませんでした。ホテルからパークへのアクセス
前述のとおり、エントランスの真上に位置するホテルですがパークには直結していないので、一旦ホテルを出て、すぐ目の前のパークエントランスから入園することになります。ホテルを出て30秒くらいでイン出来ると思います。このホテル、ディズニーランドパークだけでなく、ハリウッドスタジオにも徒歩5分という抜群のロケーションで、こんなに簡単に、短時間で、かつ徒歩で2つのパークとホテルとを行き来できる場所は、世界広しと言えどもここかアナハイムのグランドカリフォルニアンかだと思います。DLP内にいくつもディズニーホテルがありますが、アクセシビリティの便利さと快適さは他のホテルと比べるまでもありません。朝早くインする時も、夜遅くまで遊んだ時も、やっぱり近い方が便利で良く、そのメリットを十分に感じるホテルです。
まとめ
感想
25周年だけあって、やはり古いです。しかし、そのつくりの古風さや窓から見えるお城、外の建物との連担性は、さながらヨーロッパの古城ホテルの趣で、私はホテルは新しければ新しいほど好きなのですが、このホテルの古さはアリだと思います。それは単に古くなったものではなく、日本の寺社仏閣や老舗の旅館がそうであるように、丁寧に管理されたものが年を経てなお味わいを増す「古の美」であり、このホテルは25年目にして既にそれがありました。ヨーロッパに行って感じたのは、「古いものの中で暮らす」というライフタイルが街全体を包んでいるということです。それは日本人にも受け入れやすい感覚で、ディズニーの本場アメリカには無いもののように思います。仮に「世界中でここでしか体験できないこと」に価値があるとするなら、ヨーロッパの古城感を感じられるディズニーホテルは間違いなく世界でここだけだと思います。「DLPにしかないアトラクション」は、私個人としてはそのどれもこれもが鳴かず飛ばずという印象だった一方で、このホテルで感じられるヨーロッパの香りは、フロリダの巨大ファミリーホテルで味わうアメリカ感とも違い、上海にも香港にも無く、まして日本では味わえないものだと思います。外観はピンク色で、どこかのサイトで「女子力高い」と紹介されていましたが、一旦部屋に入ると、おとぎ話の中のお城、というよりはもっとリアルで実体のある、いかにも芸術家の叙情を刺激しそうなヨーロッパを感じるホテルだと思いました。評価
パリへ来たら、ぜひここに泊まってもらいたいと思います。パーク内ではあまり感じることが出来なかったヨーロッパのディズニー感をこのホテルで味わうことができると思います。細かいこと抜きにしても、この抜群の立地の良さがもたらす便利さと快適さは、それだけで泊まる価値ありだと思います。ただし、古いだけあって、水回りに改善の余地があると思います。これは西欧のホテル全般に言えると思いますが、水回りが、不衛生というわけでは決してなく、現代の一般的な日本人の全員が大満足できるものではないと思います。Wi-Fi環境もつながりますが時間がかかりますし、コンセントも少ない。水回りのリノベーションの期待も込めて星4つとさせていただきました。
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